同一労働同一賃金が介護業界に与える影響・メリットを徹底解説!

『同一労働同一賃金』という言葉、一度は聞いたことあるのではないでしょうか。

しかし、

  • 「そもそも同一労働同一賃金ってどういう制度なんだろう?」
  • 「介護業界にどういう影響があるの?」
  • 「どんな人にメリットがあるの?」

と、思われている方も多いと思います。

同一労働同一賃金とは端的に言えば『正社員と非正規社員との不合理な待遇を無くす取り組み』です。

ちなみにまだ始まったばかりの制度で大企業は今年の4月から、中小企業は来年(2021年)4月からと、まだ適用はされていません。

しかし、同一労働同一賃金の影響は介護業界も例外ではなく、様々なものが考えられます。

という事でこの記事では、

  • 同一労働同一賃金って何?
  • 介護業界への影響
  • どんな人にメリットがあるのか

を分かりやすく解説していきます。

介護業界で働かれている方、この制度は介護で働かれている方の生活が豊かになる可能性を秘めているので、知っておくことで得をしたり、損をしないで済むかもしれません。

そもそも同一労働同一賃金って何?【3つのポイントで解説】

まず、同一労働同一賃金という制度を3つのポイントに分けて解説していきます。

【同一労働同一賃金の3つのポイント】

①正社員と非正規社員との不合理な待遇を無くす制度

②取り組みが始まったのは今年の4月。適用されたばかりの制度

③多様な働き方が広がる中、働き方を自由に選択することを目指す

ひとつずつ解説していきます。

正社員と非正規社員との不合理な待遇を無くす制度

先ほども言いましたが同一労働同一賃金とは『正社員と非正規社員との不合理な待遇を無くし、同様の働きをしたら同様の給料を払いましょう』という制度です。

ここでいう正社員とは「無期雇用フルタイム労働者」のことを指し、一般にイメージできる正社員の方たちで定年まで働く人のことを指します。

もうひとつの非正規社員とは「パートタイム・有期雇用・派遣雇用など」を指します。労働力調査(詳細集計)によると2020年10月時点では37.4%と約4割の方が非正規社員として働いています。

取り組みが始まったのは2020年4月。適用されたばかりの制度

取り組みが始まったのは2020年4月からとまだ日は浅く、中小企業における適用は1年後の2021年の4月1日からとなります。

取り組みが始まってからまだ日が浅く、中小企業ではまだ適用されていません。

将来この適用が私たちの生活にどのような変化を生むのか注目されています。

多様な働き方が広がる中、働き方を自由に選択することを目指す

この制度は正社員と非正規社員との待遇差を無くし、労働者がどの雇用形態を選択しても納得でき、多様な働き方を自由に選択できるようにしようという取り組みです。

近年、正社員と非正規社員の給与格差は深刻化しており、厚生労働省が発表した『平成30年度の労働者派遣事業報告書』によると、一般派遣の平均年収は357.3万円と、正社員と比較すると『147万円』ほどの格差が生まれているのが現状です。

待遇差の見直す対象は給料だけではなく、

  • 福利厚生
  • キャリア形成
  • 能力開発

などの待遇を含めたものになります。

では、この同一労働同一賃金という制度、介護業界にも影響があるのでしょうか。

結論からいうと介護業界にも大きな影響がある可能性があります。詳しく解説していきます。

介護業界への影響

介護業界は非正規社員の割合が他の業界に比べ高く、影響を強く受ける可能性が高いです。

介護職員の非正規社員の割合は41.0%、訪問介護員に至っては79.0%と多くの非正規社員の方が介護業界を支えています。(※)

つまり非正規社員で働く方が多い介護業界は『同一労働同一賃金は大きな影響を与える可能性が高い』といえます。

また男女比をみてみると非正規社員の介護職員の女性率は86.0%、訪問介護員の女性率は95.9%と女性の方が多い傾向にあります。

(※参考:厚生労働省調査介護労働の現状

どんな人にメリットがあるの?

介護業界で同一労働同一賃金の取り組みが進んだ場合、どんな人にメリットがあるのかと言えば、

上にも説明した通り、最も恩恵を受ける方は『非正規社員として働いている人たち』です。

注目したい3つのメリット

では、どんなメリットがあるのか?という事になりますが、重要な部分を3つに分けて紹介します。

給料が見直され、増える可能性がある

非正規社員で多くの不満が上がるのが給料面です。

  • 「正社員と同じ仕事をしているのにボーナスがない(少ない)」
  • 「長く勤めても基本給が増えない」
  • 「他の人にはある給料手当てがもらえない」

などの声を良く耳にします。

介護業界全体をみても決して収入が高い業界とはいえませんし、非正規社員は正社員に比べ同じ支援をしていても更に給料が低いことが多いのが現状だと思います。

しかし、同一労働同一賃金によって給料で不公平とされている部分が解消される可能性があります。

「そんなこと言ったもそんなに変わるわけじゃないんでしょ?」

と、思われる方もいるかもしれませんが、

給料面は基本給だけでなくボーナス・昇給・各種手当等にも触れており、勤め先の取り組み次第では大きく改善される可能性があります。

非正規社員でも正社員と同等に貢献度や能力を認められるようになる

「どんなに貢献しても評価されない」

雇用期限が無い正社員と非正規社員では評価する際に正社員の評価の方が高くなる傾向にあります。

しかし、同一労働同一賃金では『将来の役割期待が異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なるという主観的・抽象的な説明ではなく、(中略)職務内容・配置の変更範囲などの客観的・具体的な実態に照らして・・・』との記載があります。

つまり、期限が決まっている非正規社員でも仕事内容の評価を正社員と同等にするよう求めています。

「雇用形態でみるのではなく、あくまでも仕事内容を評価していきましょう」ということです。

非正規社員の方は立場を理由に、理不尽な評価を防ぐことができるようになります。

研修・訓練などに参加できるようになり、自身のスキルアップになる

「非正規社員はいつ辞めるか分からないから研修や勉強会に参加させてくれない」

介護において研修や勉強会は重要です。正しい知識で支援をしないと大きなトラブルに発展することも。

非正規社員は介護の研修などを通してスキルアップする機会が正社員に比べ少ない傾向にあります。

しかし、同一労働同一賃金では「現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施するものについては同一であれば同一の、違いがあれば違いに応じた実施をおこなわなければならない」と明記されており、非正規社員の方も知識やスキルアップする機会が増えることが予想されます。

介護において正しい知識をみにつけることは自分自身の価値を高めることになります。

こちらも注目していきたいメリットのひとつです。

その他のメリット『多様な働き方が広がり、自分に合った働き方ができる』

ここまで非正規社員に対して3つのメリットを解説しました。

それ以外の方にも「多様な働き方が広がり、自分に合った働き方ができる」という大きなメリットがあります。

人それぞれに生活のサイクルや環境は違います。しかし、多くの人は仕事を中心にして生活をしているのではないでしょうか。

同一労働同一賃金では多くの働き方の不合理を無くし、自分らしい生き方を後押ししてくれる可能性を秘めています。

「正社員ではないと社会的に認められない、生活も安定しない」という風潮はまだありますが「いろいろな働き方をしても不合理がないようにしましょう」という国の取り組みはこの風潮を変える第一歩になると期待されています。

注意点『適用されたばかりの取り組みで今後どうなっていくかは不透明』

ここまで同一労働同一賃金がどんな人にメリットがあるのか解説しましたが、ひとつ注意点があります。

それはまだ今年の4月から大企業のみに適応された制度で中小企業はまだ適応自体されていない点です。

従って、これから日本がどのようなスピード感でこの制度を進めていくかは未知数です。

また、罰則はないので勤め先がこの制度に取り組まなかったとしても運営側としてはデメリットがありません。

今後の世論や政治の動きなどで大きな変化があるのか、あまり意味のないものになってしまうのか、注意していく必要があります。

まとめ

ここまで、

  • 同一労働同一賃金って何?
  • 同一労働同一賃金が介護業界の影響
  • どんな人にメリットがあるのか

を、解説してきました。

まだ駆け出しの制度で介護業界に今後どのような影響があるのかハッキリしない部分も多々あります。

しかし、国が多様な働き方を認め、動き出したことは大きな一歩です。

非正規社員の方はもちろん、それ以外の方もこの制度を覚えておくと、生活がより豊かになるかもしれません。一緒に今後の動向に注目していきましょう。

【この記事のまとめ】

・同一労働同一賃金とは、正社員と非正規社員との不合理な待遇を無くす取り組み。

・多様な働き方が広がる中、働き方を自由に選択できるよう目指している。

・メリット面は非正規社員の方が多くの恩恵を受ける。給料面、立場、スキルアップなど正社員との不合理な待遇を無くす取り組み。

・取り組みが始まったのは2020年4月からと最近。中小企業の適用は2021年4月と更に1年後。罰則はなく、始まったばかりの制度で今後の進展に注目したい。

(その他参考:厚生労働省同一労働同一賃金ガイドライン

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